翼はなくても
冬へと向かうこの季節に、じっくり聴いてもらえるような濃い1枚を作ってみたいと思いながら制作していきました。音色もピアノやナイロンギターでアコースティックな音を全面に押し出した、温かい仕上がりになっています。
―――制作時に小松未歩さんの中にはどんなイメージがありましたか?
小松:“色のない空を見上げている姿”が浮かんでいました。渇望している夢が高いところにあっても、安住していた世界を飛び出して挑戦したいと思える勇気。そんな底力を感じられるメロディーは、私自身への叱咤激励にもなっています。
神様に選ばれし翼を持った天才だけが羽ばたける世界じやなくて、翼はなくても精一杯の力で大空を舞おうとする人の未来は、光り輝いていてほしい。翼がないのは君も僕らもみんな同じで、そんな悩みを抱えながらもいつかは飛躍したいと願っているそんなパワーが、物理的には飛行機までも作ったりするわけですからね。たとえ十分な準備が出来ていなくても時期を逃さないで飛び出すことで、生まれてきた使命を果たせるような気がします。