愛してる...
―――「愛してる...」というタイトルについて。
小松:今の自分に一番響く言葉は、どんな言い回しよりもストレートな言葉だと思ったんです。ありふれてるし、使い古された言葉だったりもするんですけど、だからといって言われたり、言ったりした甘~い記憶もあんまりないかなって(笑)。
―――“ストレートな言葉が響く”というのは、小松未歩さんの中で何か今までと気持ち的に違う部分があるということですか?
小松:違ったというか、今までは照れ臭いとか恥ずかしいという気持ちのほうが先に立っちゃって言い出せなかったっていう感じでしょうか。やっぱり気持ちをストレートに言葉にするのは苦手なのかも。
―――「愛」というのは小松未歩さんの歌の中で一貫したテーマとしてありましたが、それをストレートに表現することに自分がなぜ今、反応するのかわかりますか?
小松:なぜと言われると、いつも曲が出来上がっても「何でだろう?」って思うぐらいなんでわからないんですけど(笑)。「愛してる」って言われたときの心に揺らぎというか、一言の威力というか、そういうものを感じられるようになったんですね、きっと。前までは遠まわしに言ってもその裏にある気持ちまで汲み取ってほしいって思ってた方だったのですが、やっぱりちゃんと言わないと伝わらないんだってことがわかって、駆け引きも否定はしませんけど、今はやっぱりストレートに言ってもらえると嬉しいし、言いたい気持ちが強くなってます。
―――「愛してる」のあとに「...」が付いていたり、詞の内容も幸せだけでなく、不安な要素も描かれていたりして、微妙な気持ちが表現されていますが?
小松:何らかの障害があって2人だけでは解決できないことだったとしても、それとは関係なく“強い気持ちはただあなたに向かってる”という感じです。周りの環境に左右されない愛って成就したらロマンチックでとても素敵じゃないですか! 状況はよくなくても温かい気持ちがいつかすべてを良い方に向かわせてくれるかもってささやかな願いも抱けたり。
この曲のアレンジを考えた時、久々にバンド的な音色がいいなぁって思ったんです。ギターやピアノをフィーチャーした温かい音を多めに、ほのぼのするイメージで。そこからインスピレーションされて作詞しました。メロディーの音数が多くて話し言葉みたいだったので、歌い上げるよりは、語りかけるを意識した感じです。
その時々で、自分の中での流行も、曲に対する思い入れも違うので、頭の中のイメージを忠実に再現することに全力を注ぎます! でもやってみたら“合わない”なんてことはしょっちゅうですよね。めげずにいろいろ試してますよ(笑)。
―――そうやっていろいろやりながら、自分らしさを確認する感じですか?
小松:自分らしさっていうのが未だによくわからないんですけど、いろいろやっていくうちにしっくりくるところがあったらそこかな?って。すごく抽象的なんですけど・・・。この世界は正解っていうのがないので、ためしにいろいろやってみることは必要ですし、楽しい。それで結果"従来の響きの方がいい"ってなっても、やったことに意義があると思ってます。無駄も財産というか(笑)。
やってみたいっていう好奇心だけは、すごいあるんですよね。憧れる人も常に変わっていったりして、いろいろ流されるんです(笑)。でも結局私に出来ることは限られてて、決まってくるような気はします。ただ、それが絶対とは思わないだけで。
いろいろやってみて、そのとき一番違和感のないものをチョイスしていくって感じです。なので「コレ!」って思ったら「出来た!」って勝手に思っちゃうんですよ(笑)。これ以上はもうないっ!っていつも突っ走ってる。何でなんでしょうね(笑)。
―――逆に違うときもすぐわかる?
小松:納得できるまでの通過点が、その逆というところを指すんだと思いますが、「もう1回やってみよう」ってなぜか思って止まないんです。どこが違うか全然わからないし、具体的に言葉で示すことも出来ないんですけどね。それだけに私が行動しないと伝わらないんです。