小松未歩6th ~花野~
こんにちは。6枚目のアルバム「小松未歩 6~花野~」が完成しました。今回は久しぶりのセルフカバー曲に挑戦したり、5thシングル「チャンス」のリミックスVerを収録してみたり・・・。私にもちょこっとだけ歴史ができてきたのかなぁなんて感じられる作品集となりました。ストレートな曲が並んだ今までにない趣の一枚にはなりましたが、どこから切り取ってもらっても小松の世界を感じてもらえる仕上がりになったと思いますので、その日の気分でランダムに聴いてもらえたらうれしいです。
いろんな方向を描く曲たちを1枚に詰め込んで、このアルバムが放射状に放たれたらいいなぁと思いながら制作していました。今回は特にメロディがさらさら流れ出してゆけるような言葉を選び、音作りだったように思います。色とりどりの草花が咲いているイメージを“花野”に抱いていましたので、ある意味盛りだくさんな6thアルバムのイメージにピッタリかなと思って。夕日に照らされた小高い丘に、薄桃紫色のお花や、黄色、青色などなど、色とりどりの草花が揺れ咲いているイメージ。野に咲くなんてことない花を摘み取って手渡しするような気持ちで、このアルバムもみんなに届けばいいなぁという願いを込めて、このタイトルにしました。
5thアルバムの制作が終わったころから「次はセルフカバーをしたいね」っていう話をしていたので、6thアルバムの構想を練り始めるのは、いつもより早かったように思います。それにシングルの「mysterious love」を作っているときに「音楽を作るのって楽しい!」という気持ちが改めてフツフツと沸いてきていて・・・。そんな抑えられない気持ちが、アルバムという存在を常に意識させていたんじゃないかなと思いますね。
いろんな方向性を持つシングル曲ができてきて、これをまとめたアルバムってどんな1枚になるんだろう?って。それだけでもワクワクしていたのに、その上そこにセルフカバーが入るとなると、この作品の全貌が私にも全く予想できなくて、一刻も早く形にしなきゃと思っていました(笑)。
ファンの方から「セルフ・カヴァーを」との声をずっと頂いていて、いつかしたいなぁと思っていたんです。アルバムに入れようと思っていた既存の曲はマイナーなものが多いイメージがあったので、明るい3曲を選んでみました。実際、セルフ・カヴァーを歌ってみたら、詩にもメロディーにも驚くほど違和感がなかったことに戸惑ってしまったくらいで、とても順調な作業だったように思います。
今回は特にセルフカバーも入れて、趣の違う既発のシングルも1枚にまとめることになるので、それならいっそのこと向きの違う曲を集めて、盛りだくさんな印象のアルバムにしようと考えてましたね。とにかく思いは膨らむ一方でした。
今作はバラバラな感じを敢えて出したかったので、まとめることよりも難しかったかもしれません。でも未知の世界に挑戦しながら、想像のできないアルバムの完成をただただ楽しみに制作していた感じです。
はっきりしていたのは、今の私にできること、したいことを詰め込んでみようということです。寝て、また明日・・・くらいの勢いで(笑)。とにかく今は小松らしいサウンドという固定概念をなくして、新しいことにチャレンジしていこうとする柔らかい心が大切なんだと感じています。
セルフカバーのレコーディングをしていて、かなりの年月が経っているのにもかかわらず違和感なく受け入れられたことに私自身驚いたくらいだったのですが、もしかしてこれがスタンダードナンバーということなの? と感じていたのは事実です。成長していないと言われたらそれまでなんですけどね(笑)。でもシングル曲が多いせいもあるのでしょうけど、出来上がったアルバムを通して聴いてみると、全体的にストレートに響いてくる、私にしては珍しい仕上がりになったような気がします。これがスタンダードな1枚に成長してくれたら嬉しいですね。
これ以上でもこれ以下でもない小松らしさは、存分に出せた作品にはなりました。この先もきっと“らしさ”の定義に悩んだり迷ったりすると思うのですが、とにかく今の私にできることを表現し続けていけたらいいなと思っています。楽しんで作れた6thアルバムに対する達成感は、もちろん十分にありますけど、活動自体はやりたいことの半分もできていないことが今回またわかりましたので、まだまだ頑張らないとって感じです。
このアルバムに取りかかるときに「やっぱり私はJ-POPが好きなんだなぁ」と心から思える出来事があって。日本語の副タイトルにしたのもそれを意識してのことでした。おもちゃ箱をひっくり返したような耳に楽しい音や、郷愁漂うメロディーライン。あと、情景が浮かんでくる歌詞などがJ-POPだとするなら、まさに目指したいところなんです。
挑戦だったのは、セルフ・カヴァーの3曲。どんな風に皆さんに届くのかドキドキです。「Last Letter」は、制作の流れに迷いがなかったので比較的順調でした。反対に苦労したのは「僕にあずけて」のコーラス。一直線なメロディーなのにラインを決めるのにもコーラス入れするのにもなぜかすごく時間がかかりました。
これまでは私の声に合うコーラス探しだけでも大変だったので、マッチングしたことが奇跡。男性の声に限らないのですが、私以外の声が入ると詞が自由に語りだしてくれるような気がします。ボーカル録りがあ連日連夜続いたので、とにかくリラックスしようと、ストレッチをしたり、ジャスミン茶を飲んだりしながらスタジオで過ごしていました。
―――「明日を待てずに」について
小松:アレンジを聴いたときに、90年代前半のラブソングっぽいものが頭に浮かんできたので、恥ずかしくなるくらいの甘~い言葉を並べてみようと思いながら作っていきました。さすがに最初は私も少し照れくさかったのですが、ミックスされて芯が1本通った仕上がりの具合はかなり格好いいかと思われます。
―――曲順について
小松:悩みましたね。全12曲で考えていたときは全然まとまらなくて、なら13曲!と思って並べてみたら一瞬で私のイメージするアルバム像が出来上がってきて、もうスタジオで拍手喝采でした(笑)。でも今回は1曲1曲が主張してくれる作品集という印象が強いので、どこから聴いてもらっても大丈夫かなとは思いますけどね。その日の気分でランダムに聴いてもらえたら嬉しいです。
コレといった理由は見当たらないのですが、いつものように曲順を決めていたら、こんな結果になりました。セルフ・カヴァー曲についても、メロディも詞もあまり違和感なく受け入れることができて、私自身が反対に驚いてしまったくらいです。あの頃と同じというのも、ちょっと複雑ですけどね(笑)。音楽のすごさを改めて感じました。音とかにおいとかってその当時の記憶を呼び覚ますじゃないですか。なのでほんとにその当時のことが鮮明によみがえってきて、レコーディング中ずっとエンジニアさんに懐かしい話をしてましたね。
“私を探す旅”イコール私の人生、生きてゆくことだと思っていますので、居場所を見つけることが私にとっては永遠のテーマ。もともと今の環境に安住できるタイプではないみたいですし(笑)。いろいろな人と出会いつつ、私をさらけ出しつつ、周りの人に助けてもらいつつ、認めてもらいつつ、常に自分の居場所を探しているような気がします。
どこから切り取ってもらえても成立する仕上がりになったと思うので、その日の気分によって好きなところからランダムに聴いてもらいたいです。特に6thは皆さんの声に押されて完成したアルバムという印象が強いので、この言い尽くせない感謝の気持ちとともに“花野”が届いてくれることを願っています。