INTERVIEW


翼はなくても

冬へと向かうこの季節に、じっくり聴いてもらえるような濃い1枚を作ってみたいと思いながら制作していきました。音色もピアノやナイロンギターでアコースティックな音を全面に押し出した、温かい仕上がりになっています。


―――制作時に小松未歩さんの中にはどんなイメージがありましたか?

小松:“色のない空を見上げている姿”が浮かんでいました。渇望している夢が高いところにあっても、安住していた世界を飛び出して挑戦したいと思える勇気。そんな底力を感じられるメロディーは、私自身への叱咤激励にもなっています。


神様に選ばれし翼を持った天才だけが羽ばたける世界じやなくて、翼はなくても精一杯の力で大空を舞おうとする人の未来は、光り輝いていてほしい。翼がないのは君も僕らもみんな同じで、そんな悩みを抱えながらもいつかは飛躍したいと願っているそんなパワーが、物理的には飛行機までも作ったりするわけですからね。たとえ十分な準備が出来ていなくても時期を逃さないで飛び出すことで、生まれてきた使命を果たせるような気がします。

I'll tell you

面と向かって言うのは照れくさい言葉も、メールや手紙にするとサラリと想いが伝わったり、反対に受け手側だったら素直に受け止めることが出来たり・・・。どんな言葉を使っても伝えきれない感情だったら、詩にしたためたりして何とか届けたいと思う気持ちって、きっと揺れる乙女心なんです(笑)。


作詞という作業自体は難しいなといつも感じています。でもアレンジやメロディーが語る言葉を-旦引き出してしまうと、物語がふぁ~っと動き出すので、その後はもう流れのままに描くだけです。

遠い空で

6thアルバムに入れられなかったセルフカバー曲を、今回のシングルに収録しました。あの頃はいろいろなスタイルで作曲をしていたのですが、もともとあるメロディーを膨らませて作っていくことは、とても新鮮で楽しい作業でした。大サビを付け足したりすることも好きなので、たぷん性に合っているんだと思います。


―――シングルに収録された3曲について、何かイメージされたところはありましたか?

小松:過去の作品ではありますが「遠い空で」も含めてまさに今の私の心境ですね。最近は特に大きな心の揺れが、そのままダイレクトに詞の世界へと反映されていくような気がします。